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糖質制限ダイエットを辞めた人、急増。キレイに痩せるならカロリー制限の方が有効なワケ

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筋力トレーニング愛好家の皆さま、こんにちは。日夜頑張って、理想のボディに近づいていますでしょうか?今日は、筋力トレーニングとも関係の深い、痩身・ダイエットに関して、大きな話題となっている「糖質制限ダイエット」を、昔からある「カロリー制限ダイエット」と比べながらお話ししていきたいと思います。

最近もてはやされてる「糖質制限ダイエット」って何なの?:

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ここ数年で、新しいスタイルのダイエット方法として注目を集めているのが「糖質制限」です。低炭水化物ダイエットやローカーボダイエットなどの呼び方もあります。簡単に言えば、糖分や炭水化物の摂取を避ける代わりに、タンパク質や脂質は満腹になるまで食べてOKというものです。

より具体的に言えば、お米やパン、うどん、パスタ、いも類や根菜類、そして甘いお菓子やジュース類は避ける代わりに、肉類や魚介類、大豆由来の食品、葉物野菜などは好きなだけ食べてよいというもの。また、お酒も焼酎・ウイスキー・ブランデーなどの蒸留酒、辛口ワイン、糖質ゼロの発泡酒なら飲んでOKとされています。

食べてよいメニューから、「糖質制限」をイメージしてみよう:

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と、言っても、難しいことはありません。お米、パン、麺類、そして糖分を含む芋類や根菜類、果物類などを避ければ、何を食べてもOKです。例えば、焼肉屋さんなら、肉類は全部食べて大丈夫ですが、ライス、ビビンバ、クッパなどはNGという感じです。

お米やパン類、麺類などが食べられなくなりますので、外食やファストフードなどはお預けとなりがち・・・ですが、今のご時世、お店側もいろいろ考えています。例えば、牛丼チェーン「すき家」の「牛丼ライト」はごはんの代わりに豆腐を使っています。また「吉野家」の「牛皿」も、ごはんがなく具だけですので糖質制限には格好のひと品です。

また、ハンバーガーチェーンの「モスバーガー」の菜摘シリーズも、糖質制限にはうってつけ。パンの代わりにレタスでハンバーグやチキンなどをサンドしているんです!さらには、ケンタッキーフライドチキンも頻繁でなければ利用してよいでしょう。衣は糖質ですが、食べ過ぎない程度ならOKです。

さらに、麺類を食べたい場合は、大豆粉から作った麺があります。パン類の代用としては、おからやふすま粉を使ったものがあります。ホームベーカリーで作るレシピなども公開されています。

あらためて「カロリー制限」は、何をどれ位食べてよいの?:

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一方、昔からある「カロリー制限ダイエット」は食事として摂取するカロリー量を「○○○カロリーまで」と制限し、消費カロリーが摂取カロリーを上回るようにする状態を保つことで、体重や体脂肪を減らしていくというやり方です。

1,500kcal 以内だとこんな感じです:

メニュー例として、今回は1日の摂取カロリーを1,500kcal以内としてみました。これは、女性は無理なく少しずつ痩せられ、男性はやや大きくダイエット効果をもたらす数値です。糖質制限と比べると、量自体は少なくなる反面、炭水化物や甘味類なども食べられます。

 

【例1】合計:1431kacl

  • 朝:パタートースト、レタスのコールスローサラダ、みかん(392kcal)
  • 昼:そうめんチャンプルー、卵スープ(418kcal)
  • 夜:ごはん、さぱの塩焼き、ササミのサラダ、大根となめこの味噌汁(651kcal)

 

【例2】合計:1444kacl

  • 朝:鳥ささみとキノコの中華粥、キウイ(354kcal)
  • 昼:トマトソーススパゲティ、レタスのスープ(526kcal)
  • 夜:ごはん1膳、レンコンと豚肉としそのはさみ揚げ、ほうれん草のお浸し、油揚げの味噌汁(564kcal)

 

「カロリー制限ダイエット」 は、確かに挫折しやすい・・・で・す・が・・・:

ご覧いただきました通り、糖質制限とカロリー制限では、「食べてよいものの種類と、食べてよい量」がそれぞれ大きく異なっています

これまでの主流だったカロリー制限では、満腹感が得られにくく、美味しい食べ物の誘惑に負けてしまい、挫折してしまうパターンが多いです。あ、ギクっとした方、いらっしゃいますね(笑)。その点、制限対象食品以外ならいくらでも食べてよいとされる糖質制限は、メディアなどでも注目を浴びており、新しいダイエット方法としてもち上げられています。確かに「これなら続けられる」と思われた方も多いことでしょう。

でも、ちょっと待ってください!カロリー制限に失敗したからといって、糖質制限に飛びつくというのはいささか安直です。ダイエットに限った話ではありませんが、何事も正しい知識を持ち、理解を深めた上で進むのが成功への近道です(と、若造の分際で偉そうに言ってスミマセン)。

「カロリー制限VS糖質制限」という、メディアの煽りには要注意:

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そもそもカロリー制限と糖質制限はダイエットのやり方の違いであり、どちらが優っている、劣っているということは一概には言えません。しかしながら、ここ最近、週刊誌や健康関連のテレビ番組などでは、とかく両者を対比し、糖質制限の方が優っているという論調が多く見られます。ハッキリ言って、これはメディアの策略であって、鵜呑みにはしない方がいいですよ。

ご存知の通り、テレビ局というところは視聴率、雑誌は売上を上げてナンボという世界です。そして、視聴率や売上のためなら、対立や対決の構図をでっち上げ、一方を持ち上げもう一方を貶めるというやり方をいけしゃあしゃあとやってきます。

カロリー制限は比較的歴史が長く挫折してきた方も多いことを都合よく利用して、新しく注目されている糖質制限こそ優れているという「単純な対立構造」を提示することで、観る人の関心を惹こうとしているに過ぎません。繰り返しますが、カロリー制限と糖質制限は、どっちが優れているとは一概には言い切れません。

実は、この記事をまとめようと思った理由は、テレビや雑誌がやたらと糖質制限をもてはやし、カロリー制限を、直接的であれ間接的であれ、貶めていることに「ちょっと待った!」と言いたかったからです。

「カロリー制限」と「糖質制限」、それぞれの長所・短所とは?:

では今一度、「カロリー制限」と「糖質制限」のメリットとデメリットについておさらいしておきましょう。

カロリー制限:

◆メリット 
  • 体質や持病の有無などに左右されず簡単に始められる
  • アンチエイジングや美容効果も期待出来る
  • カロリー制限内であれば、栄養をバランスよく摂れる

 

◆デメリット
  • カロリー計算や食材の確保、調理などの手間
  • 食欲や食べたいものをガマンするつらさ
  • 長く続けるには、根気と覚悟、信念が必要

 

糖質制限:

◆メリット
  • 面倒なカロリー計算がいらない
  • 肉料理や揚げ物など高カロリー食品もОK
  • 比較的効果が出るのが早い

 

◆デメリット
  • 米、パン、麺類など主食を食べられないつらさ
  • 食事のバランスが悪くなりやすい
  • 高脂血症や腎臓疾患などの持病がある人には不向き
  • 食費が高くつきやすくなる

 

 

いかがでしょうか?カロリー制限にも糖質制限にも、それぞれに一長一短があることがお分かりいただけると思います。どちらが適しているかは、それこそ一人ひとりの体質や性格、意思の強さ・弱さ、ライフスタイル、料理の腕、経済状況などによって異なってくるんです。

日本糖尿病学会の調査結果と提言でも・・・:

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そんな中で、健康情報系のライフスタイル誌である『Tarzan』の2013年 6/27号に載っている特集は、キチンと的を得ていると思いました。記事タイトルこそ「カロリー制限VS糖質制限」となっていますが、内容はそれぞれのやり方や違いを分かりやすく解説しています。

例えば、ステーキを食べる場合カロリー制限では肉は残してポテトや人参の付け合せは食べる、逆に糖質制限の場合、肉は全部食べてよいが、ポテトや人参は残すといった具合です。決して、糖質制限を持ち上げ、カロリー制限を否定するということはしていません。

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そしてこの記事の中で目を惹かれたのが「日本糖尿病学会」にて発表された、カロリー制限と糖質制限に関する研究データが紹介されている点です。こうした信頼性の高いエビデンスをちゃんともってくるあたりは、さすがは『Tarzan』という感じですね。

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興味深い話でしたので、実際に「日本糖尿病学会」のサイトにアクセスしてみると、『Tarzan』が取材元とした実際の提言が掲載されていました。2013年3月17日に開催された、食事療法に関するシンポジウム「日本人にふさわしい糖尿病食事療法を考える~食品交換表の改訂に合わせて~」の内容がPDFファイルで閲覧できるようになっています。

 

「総エネルギー摂取量は過剰であっても、炭水化物さえ制限すれば減量効果がある」という解釈は短絡的である。

引用元:

日本人の糖尿病の食事療法に関する日本糖尿病学会の提言 ~糖尿病における食事療法の現状と課題~:日本糖尿病学会 The Japan Diabetes Society

 

糖質制限で痩せた人は、同時にカロリー制限もしている

引用元:

日本人の糖尿病の食事療法に関する日本糖尿病学会の提言 ~糖尿病における食事療法の現状と課題~:日本糖尿病学会 The Japan Diabetes Society

 また糖質制限とカロリー制限を比較した場合、6ヶ月目までは糖質制限の方が速く体重減少をもたらすものの、それ以降は差が縮まっていき、1年経過した時点で差はなくなるというデータも紹介されています。

さらには、『Tarzan』では「糖質さえ食べなければ何を食べてもいいというメッセージは危険」という趣旨の記載がありましたが、その根拠となっている内容も見受けられました。例えば、糖質制限では血中LDLコレステロールの増加をきたすという指摘があります。また肉類や脂質を制限なく食べた場合は、腎臓病や動脈硬化、腎機能障害などのリスクを高めるとも指摘されています。考えてみれば、当たり前ですね。

これまでの話を総合すると、、、:

カロリー制限と糖質制限、ダイエットに適しているのはどちらというのに、完全な正解はありません。人によって異なるというのが唯一の答えという感じです。また糖質制限ダイエットは、必ずしも「肉などを際限なく食べてよいというものではない」ことをキチンと理解しておいてください。

別の記事でも書いた覚えがありますが、情報化が進んだ今の世の中、誤った情報もたくさん溢れかえっています。特にダイエットに関しては、その傾向が強いのが現実です。何事も鵜呑みにしてしまうのではなく、その情報が正しいのか否かを、キチンと調べてみる。ある意味、それがダイエットを成功させるカギ・・・と言ったら大げさですが(笑)。

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最後にもうひとつ、ダイエットには“正しい食事制限”とともに、筋力トレーニングなどの運動を組み合わせることが大切です。もたらされる痩身効果を信じて、今日もしっかりと、いい汗流してトレーニングに励みましょう!